失業保険は条件を満たせば離職票が複数でも合算される
2018.4.14
なんらかの理由で退職した場合、次の仕事が見つかるまで重要な失業保険。
働き方によっては離職票が複数になることも考えられます。その場合は、どの会社での失業保険が支給されることになるのでしょうか?
条件が合えば、複数の失業保険を合算することができます。わからないことはハローワークで確認してきちんと受給を受けましょう。 使わなかった場合にも最低1年間は保管しましょう。
この記事の目次
失業保険の離職票が複数になる場合もある
離職票を複数枚持っているというのは、短期間のうちに入退社を繰り返した場合に起こりやすいです。
1枚の離職票では失業保険の受給資格に満たない場合でも、複数の離職票を合わせて離職日以前の2年間の内12か月間雇用保険に加入している事が証明できれば給付を受けられます。
なお、倒産やリストラなど会社都合で退職をした場合は、特定受給資格者に該当するため、雇用保険加入期間が離職日以前の1年間に6ヶ月間と優遇されます。
短期間で退職する場合、離職票を貰わない人も多いですが、このように合算することで失業保険の受給資格を満たすこともあるので、発行してもらった方が良いでしょう。
なお、すでに次の就職先が決まっている場合など、退職者本人が希望しない場合は離職票を受け取らない事も出来ます。(一定の年齢覗く)
しかし、次の職場をすぐに退職する可能性はゼロではありません。就職活動をする可能性もありますので、次の仕事が決まっていても離職票は貰っておいて損はありません。前職の離職票を貰っても、次の職場に提出する必要はなく、最低1年間は自分で管理します。
雇用保険の被保険者証を紛失してしまい、再就職先で自分の雇用保険番号が分からない場合、離職票で確認することも可能です。
短期間に入社と離職で失業保険の離職票が複数になる場合
短期間の内に入退社を繰り返した場合、離職票が複数枚手元にあることになるでしょう。
離職票が複数枚手元にある時にはどのように手続きをすべきか
- 例えば、短期間の内にA社、B社、C社と順に入退社した場合は、一番新しい離職票はC社の分です。
- つまり、最後に被保険者となったのはC社の入社日という事です。
- しかし、C社だけでは失業保険の受給資格である被保険者期間が不足している場合は、B社、A社の分も加算することが可能です。
- もちろん、算定対象期間内であれば、A社以前の勤務期間も離職票があれば加算出来ます。
退職理由には自己都合か会社都合があり、受給資格や条件が変わることとは?
- 複数の離職票を提出している場合は、最新の離職票の退職理由で判断されます。
- 例えば、自己都合で退社したC社だけでは受給資格を満たさずにB社分も提出した場合です。
- B社が会社都合で退職となっていても、B社分だけで受給資格を満たすとしても、退職理由はC社が適用されます。
- 受給資格を満たし、所定給付日数を決めるときには被保険者として雇用されていた期間の長短が決め手の一つになります。
- 算定基礎期間と算定対象期間は異なります。
- 受給資格を得ていても実際に受給していない場合は、転職前の会社の雇用期間が通算されます。
失業保険は合算できる?複数の離職票があるときの対処の仕方
転職した場合、雇用保険加入期間を合算して失業保険を受け取る事が出来ます。複数社勤めていた場合は、合算することが可能ですが、前にも失業保険の手続きをした事が場合はそれ以前の加入期間はリセットされているため含まれません。また、雇用保険に加入していない期間が1年以上ある場合もそれ以前の期間はリセットされてしまいます。
そのため、1年以上雇用保険未加入の期間がなく、失業保険の手続きをしていない前職分は合算できるということです。
そもそも、失業保険を受けるためには過去2年間の間に1年以上雇用保険に加入していることが条件です。(会社都合で退職した場合は1年間に6ヶ月以上)
つまり、過去2年間の中で1社でも1年以上勤めていれば1年以上のブランクが開くことはありませんし、3社以上勤めていても1年以上ブランクが無ければ合算で1年以上になるため対象となります。
例え、1ヶ月ずつでも加入期間の合算の対象とすることも可能です。
そもそも失業保険を受給するための条件とは?
失業保険を受給する2つの条件
雇用保険の加入期間と働く意思や能力があることです。
1つ目の雇用保険の加入期間についてですが、雇用保険は1ヶ月以上の雇用期間があり、週20時間以上の勤務をする労働者ならパートやアルバイトでも入ることが決まっている保険です。
この雇用保険に加入していた期間が、1年以上あることが条件になります。(自己都合で退職した場合)
直近の仕事を1年未満で退職した場合は、過去2年間の内で1年以上ブランクが無く、他に雇用保険に加入していた期間があれば合算して計算することも可能です。
2つ目の働く意思や能力があることも大切です。働く意思とは、求職活動を行い再就職する意思を示す事が必要です。能力とは、特別なスキルのことではなく、病気やケガがなく働ける状態にある事をさします。
万が一、病気やケガなどですぐに働けない場合は、失業保険の受給期間を延ばすか傷病手当を受給する事も可能です。
離職票と退職証明書の違いは?再発行は2年まで
離職票と似ている書類に「退職証明書」があります。
会社を退職する際に会社が発行してもらう書類がありますが、退職の際に自分で必要な書類をピックアップしてお願いする時には退職証明書と離職票を間違えないように注意が必要です。
離職票は失業保険の受給に必要な書類で、退職証明書は転職先などに提出するのに使うケースが多いです。
退職証明書は、賃金、勤務時間、役職、職種、退職理由など退職者が希望した項目を記載した書類を会社が作るものです。
退職証明書は退職者の希望がある時に作る事が義務付けられているものですが、その様式に決まりはないので企業によって自由です。
退職証明書は転職先の会社から提出を求められることがあります。退職証明書は記載内容も自由なため、在職中の実績や評価など記載してもらうことも可能です。希望する場合は、担当者に相談してみましょう。
なお、会社が退職証明書の発行に応じない場合は罰則があります。退職証明書の発行期間は、退職から2年以内と決められていて、企業側はその期間内は求められれば何度でも作成しなければいけません。
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