パンの発酵時間が長いと出来上がりにどんな影響があるのか
2018.8.1
パンを上手に作るためには様々なポイントに注意しなければなりませんが、発酵時間もその1つ。
一般的なパン作りの工程では2回発酵する機会がありますが、この発酵時間が出来上がりを左右すると言っても過言ではありません。
パンの発酵時間が長いとどうなってしまうのでしょうか。対策は?
ポイントを抑えて美味しいパンを作りましょう!
この記事の目次
パンの発酵時間が長いとどうなるの?
発酵時間が長すぎると過発酵になります。コレは発酵しすぎという事!
発酵しすぎるとどうなるのか?というと、フィンガーテストをしたときに風船の空気が抜けたように、プシューと中の空気が抜けてパン生地がへこみます。
こうなっても成形をして、パンを焼くことは可能ですが、焼き上がりはイースト菌の臭いが気になる仕上がりに・・・。
過発酵になったら、パン生地はピザ用したりナンを作ったり、パンを諦めたほうが美味しく食べることが出来ると思います。
また油で揚げて、ドーナツのようにして食べるのも臭いが気にならないと思います。
過発酵を防ぐために、すぐに焼かないときは室温には置かず、冷蔵庫に入れるという手段もあります。
この場合の注意点は乾燥しないようにする事、長時間や焼かずに冷蔵庫に入れる場合は、冷蔵庫の中でも少しずつ発酵が進むので、冷凍したほうが無難です。
数時間で冷蔵庫から取り出し焼く場合は、ベンチタイムをとって成形をしてから焼いてくださいね。
パンの発酵時間が長いと生地にどんな症状がみられるの?対策は?
過発酵してしまった場合、焼きあがるとまず気になるのがニオイ!イーストの臭いがきつくなたり、過発酵で出されるアルコールの臭いがパンにする事もあります。
また酸っぱいニオイを感じる場合もあるようです。
そして次に気になるのが食感。パサパサした食感や腰が折れてしまったり、またもちもち感がありすぎたりと食感が悪くなります。
その他にも見た目にも違いが出てきます。元々イーストは砂糖を分解してガスを発生させ、そのガスがふくらみの元になるので、発酵しすぎると砂糖の甘みが薄くなるばかりではなく、糖分が少ないので焼き色が付きづらくなります。
また膨らみが悪かったり、時には陥没してしまうことも。
フィンガーテストで過発酵に気がつかなくても、焼き上がりにこんな症状が出たら過発酵を疑ってください。
いつも過発酵気味という方は、生地の温度が高すぎないように確認を。また暑い夏の季節なら材料は冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。
そのほかにはイーストの量や水分量を減らすという方法もあります。
パンの発酵時間が長いと失敗する!発酵と時間の目安について
発酵させる時間も大切ですが、生地のこね上がりの温度や、室内(発酵させる場所の温度)も発酵には重要なポイントです。
これらはパンの種類によっても違ってきますので、フィンガーテストを行って発酵状態を確認してください。
フィンガーテストは一次発酵のときに、膨らんだ生地に指をさして発酵の具合を見る方法です。必ず行いましょう。
パンの発酵と温度についてもご紹介いたします。
- イーストを保存する際には0~5度が適している温度です。常温で保存をするのはNGですよ。
- 一次発酵に適した温度は27~30度。この温度で40分から1時間程度置いて発酵させます。温かいお湯や冷たい水で調整が可能です。
- 次に成形後の二次発酵をするときの温度は36~38度ほどで、約30~40分で発酵をさせます。
- 最後にイースト菌が働かなくなる温度はというと60度以上。オーブンに入れて焼くとある程度まで膨らみますが、60度を超えるとパンの膨らみはストップします。
これはパン生地の温度が60度を超えて、イーストが働かなくなったからです。
パンの発酵時間が夏と冬で違うのはなぜ?
パンの発酵には温度も関係してくるという話をしましたね。まさに夏と冬では室温が変わり、パン生地の温度もそれに左右されます。
そのため、レシピ通りにパンを作っても冬に作ったときは成功したのに、夏に作ったときは過発酵になってしまった。なんて事が起こるのです。
では暖かい季節や寒い季節、温度が違ってもパンをいつもどおりに作るにはどうしたらよいのか?そこが気になりますよね。
それは先ほども少し触れたように、水の温度を調整することです。パンをこねるときの水を冬の時期ならぬるま湯にして、発酵を進ませるようにします。
逆に発酵が進みすぎてしまう暑い時期ならば、水はぬるま湯ではなく常温の水や冷水にすると良いでしょう。
その他にも材料を冷蔵庫に入れて、温度を抑えるという方法もあります。
季節によって水の温度を変えたりと、パン生地の温度には注意をして美味しいパンを作ってください。
パンは生地作りが重要!発酵時間の他に注意すべきことは?
手でこねてパンを作るときは、発酵と同じようにこね加減も重要です。材料が混ざったらよし!と言うわけにいかないのがパン作りです。
とにかく手がだるくなってもこねるべし!小麦粉のたんぱく質と水がつながり、グルテンが出来上がりますが、こしがあり、しかも膨らんで伸びのあるパンに仕上げるには、この時に空気を含ませることが重要です。
なのでパン作りには、こねが大切なんです。生地を伸ばしても簡単に切れないほど、伸びのある生地に仕上がるまで、しっかりとこねてください。
またパンを締めるために台にたたきつける作業も必要です。やりすぎも良くありませんので適度にたたき付けを行いながら、こねてくださいね。
こねが終わったら発酵です。上記してきたように発酵時間や温度に注意をして、適度に発酵する事で美味しいパンが出来上がります!失敗しても何度もチャレンジして、コツをつかんでください!
- 生活・暮らし