路面の凍結を溶かす方法があります!凍結防止剤の使い方も!
2018.7.17
北海道や東北地方の方は、雪の扱いに慣れているかもしれませんが、最近の異常気象によってあまり雪がふらない地域でも大雪による災害がおきています。
雪が凍って滑って危険!そんな時に路面の凍結を溶かす方法はないのでしょうか?
凍結防止剤も市販されていますが、こんなものを使って溶かすことが出来るそうです。
また凍結防止剤の使い方も紹介します。
この記事の目次
路面が凍結!溶かす方法はある?
東北など雪の多い地域では、大雪になると交通機関が麻痺したり、屋根に積もった雪の重さで家が倒壊する被害がでるなど、雪によって大きな影響を受けます。
また、雪が凍結して生活にさまざまな支障をきたします。
そんなとき、「塩」が重要な役割を担っていることがあるというのはご存知でしょうか。
雪や氷は、塩と触れると解ける性質があります。
この性質を利用して少ない積雪であれば除雪に利用したり、交通事故の原因ともなる路面の凍結防止剤として塩が使われているのです。
塩で解かした氷は、溶けた後もその路面を凍りにくくする効果があることから、凍結防止剤と呼ばれます。
特にスリップが大事故になる可能性が高い高速道路では、雪が降ると必ず使われています。
雪が降って数日が過ぎた高速道路で、道路の脇に白い粉を見つけたら、それは塩を撒いた跡かもしれません。
路面凍結を塩を使って溶かすワケ
路面の雪や氷を解かすために塩を使うのは、塩の性質を利用しています。
水は0℃で凍り始めます。この温度を「凝固点」と言います。
凝固点は物質によって違っており、0℃よりも高い温度で凝固するものもあれば、0℃よりも低い温度で凝固するものもあります。
塩が溶けた水、「食塩水」が凝固するためには0℃よりも低い温度になる必要があります。
水が凍る(凝固する)とは、温度が下がり水分子の運動エネルギーが失われ、静止した状態です。
ここに水分子以外のものが混入すると、分子同士が結びつくことを邪魔して凍りにくい状態になります。
水に塩などの不純物が混入して、凝固点が下がることを「凝固点降下」と言います。
塩は、湿度(水分)を吸収する性質があり、また水に溶けやすいことから凍結防止剤として利用されるようになりました。
冬の路面に塩を撒くことで、降雪があっても表面に食塩水ができることから路面が0℃では凍らなくなります。
もちろん、大量の降雪があるとその降下は下がりますが、一定の濃度を保てる間は凍結を防ぐことができるのです。
路面の凍結を溶かすにはこんな方法もある!
直射日光にさらされているのに、なかなか雪が解けないことってありますよね。
これは、雪が日光の8割近くを反射してしまうからなのです。
最近のゴミ袋は、透明や半透明がほとんどですが、昔使われていた黒いビニール袋に雪を入れておくと、日光が反射されずに早く雪が解けました。
さすがに黒いビニール袋では、準備も後片付けも大変ですが、土や炭などを撒くという方法もあります。
雪の反射率を下げるために黒いものを撒くと、雪解けを促進する効果があります。
土や砕いた炭、砂などでも効果があります。
ただし、雪が解けた跡に土や炭で汚れてはいけない場所では、この方法は使えません。
ちなみに、単純な疑問ですが「邪魔な雪はお湯をかけて解かせばいいんじゃないの?」と思ったことありませんか?
でも、実際には積もった雪を解かすためには大量のお湯が必要になりますし、解けた水が結局氷になりアイスバーンや硬い氷になってしまいます。
凍りついた一部分を解かす程度ならいいのですが、除雪としてお湯を使うのは無理があります。
融雪剤・凍結防止剤の使い方を紹介します
融雪剤や凍結防止剤は、雪が多く寒さの厳しい場所ではとても便利なものですが、使用上の注意をきちんと守る必要があります。
融雪剤や凍結防止剤は適切な量を使う
1平方メートル当たり30~100g程度で、目安としては成人男性が一握りした程度の量になります。
少ないと効果が薄く、多すぎると塩害のリスクがあります。
塩化カルシウムや塩化マグネシウムに含まれる塩分は、撒きすぎるとコンクリートや金属を腐食させてしまうのです。
融雪剤や凍結防止剤は直に触らない
塩化カルシウムは水分に触れると熱を発する性質を持っています。
直接手で触れると、手あれや火傷に似た症状が現れることがあります。必ずゴム手袋などを付けて作業しましょう。
融雪剤は、雪をとかすだけでなく防塵剤として利用することもできます。
運動場のような乾燥した土壌に融雪剤を使うと、土の水分を吸収し粉塵を抑える効果があります。
乾燥がひどい場合には、融雪剤の水溶液を散布するか、融雪剤を撒いたあとに水撒きをすると効果的です。
凍結防止には塩化ナトリウム!一問一答式で紹介
融雪剤を撒くタイミングは?
雪が降る前に散布すれば、道路の凍結防止になります。散布基準を参考の上、事前散布がおススメです。
効果的な撒き方は?
シャベルなどを使い、そのまま散布します。降雪の前に散布する場合、風が強いと飛ばされてしまうことも考えられますので、その場合は水に溶かした状態で散布する方法もあります。
雪かきと一緒に使える?
雪かきを始めるまえに、適量の凍結防止剤を散布して数分放置してください。
それから除雪作業を行うと、凍結が防止され作業が楽に進められる場合があります。
車や柵は錆びないの?
金属類に直接触れると錆びの原因になります。
もし付着したら、水でしっかりと洗い流しましょう。
ペットがいるけど大丈夫?
もし犬や猫などのペットが口にしてしまうと塩分の過剰摂取になり体調を崩す可能性があります。ペットがなめたりしないよう充分注意してあげてください。
残った凍結防止剤の保存は?
湿気を吸いやすいので、袋の口をしっかり密閉して乾燥した場所で保管しましょう。
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